「インバウンドの一部は悪質」 京都の“観光公害”止まらぬ現実――小泉氏“6000万人公約”に地元警鐘、「増えすぎるのも考えもんや」の声

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観光庁の訪日客6000万人目標が、自民党総裁選で小泉進次郎農相の公約として掲げられた。旅行業界は推進に動くが、京都市民の反応は辛らつである。観光公害の懸念が依然として根強い。

京都市有名観光地の混雑はさらに加速

訪日客が歩道を埋め尽くす四条河原町(画像:高田泰)
訪日客が歩道を埋め尽くす四条河原町(画像:高田泰)

 京都市はコロナ禍前から訪日客が増え、JR京都駅(下京区)や嵐山(右京区、西京区)、清水寺(東山区)など有名観光地、繁華街の四条河原町(下京区、中京区)、祇園(東山区)などで混雑が常態化している。

 2024年に市内を訪れた訪日客は市の推計で1088万人に達し、過去最高を記録した。市観光協会がまとめた2025年の訪日客宿泊数は、7月まですべての月で前年度を7~57%上回っている。2025年はさらなる記録更新が確実だ。

 市内では地価上昇や飲食店、土産物店の売り上げ増など好影響がある一方で、JR嵯峨野線の混雑、マンション価格の高騰が続く。京都駅烏丸口の清水方面行きバス乗り場は長蛇の列が続き、市民生活に深刻な影響を与えている。

・ごみの投棄や寺社への落書き
・私有地への無断侵入
・舞妓さんのつけ回し

など訪日客の悪質な行動が、何度も問題視された。祇園の飲食店従業員は

「歩道に設置したごみ箱が満杯になると、平気でポイ捨てする。一部の外国人は悪質や」

と怒りを隠さない。

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