「インバウンドの一部は悪質」 京都の“観光公害”止まらぬ現実――小泉氏“6000万人公約”に地元警鐘、「増えすぎるのも考えもんや」の声
観光庁の訪日客6000万人目標が、自民党総裁選で小泉進次郎農相の公約として掲げられた。旅行業界は推進に動くが、京都市民の反応は辛らつである。観光公害の懸念が依然として根強い。
京都観光の公害警鐘

小泉農相の公約は自民党総裁選出馬会見で出た。「2030年に訪日客を年6000万人に増やし、消費額15兆円を目指す」との内容だ。だが、小泉農相の発案ではない。観光庁が観光立国推進基本計画で打ち出したもので、岸田文雄前首相時代の2023年に閣議決定している。
石破茂首相は3月、総理官邸で開いた観光立国推進閣僚会議で目標達成に向けた新計画を示すよう指示した。観光庁観光戦略課は「2025年度中に策定する」としている。
しかし、日本政府観光局によると、2024年1年間に訪れた訪日客は過去最高の約3690万人。2025年は8月まで毎月、前年を4~41%上回るペースで増えている。2025年中には年4000万人に達する見通しだ。しかも、訪日客の約7割が三大都市圏に宿泊し、
・東京都
・大阪府
・京都府
で増加が目立つ。
貴船では帰りのバスを待つ長い行列ができていた。訪日客を中心にその数はざっと60人以上。小泉農相は「観光公害の防止策も検討する」としているが、三重県から来た女性(46)は
「街外れの貴船まで大混雑。どうなってるの」
と顔をしかめた。