街中で見かける「青白バス」 実は容疑者は1人も乗っていなかった!
都市部で目にする青白の大型バスは、容疑者を運ぶ護送車ではなく、機動隊員を輸送する人員車両だ。調達費は数千万円規模、維持管理コストも膨大で、都市の安全保障と財政負担の現実を可視化する象徴となっている。
広域運用で変わる車両戦略

では、代替策はあるのか。ひとつは地域間での機動的な車両シェアである。現在も大規模イベントの際には他府県警からの応援が行われているが、平時から広域運用を前提にした車両管理体制を構築すれば、各県単位での過剰保有を避けられる。また、防犯や群衆管理のために必ずしもバス型車両が必要なわけではない。小型の電動車両を組み合わせれば、環境負荷とコストの双方を抑えつつ、柔軟な人員配置が可能になる。
さらに、都市インフラとの連携も見直すべきだ。現在の警察バスは基本的に
「車両ありき」
で運用されているが、駅前や公共施設に一時的に設けられる警備拠点をモジュール化すれば、固定的な輸送車両に依存せずに対応できる。実際、海外の大都市では、コンテナ型の移動式警備拠点やドローン監視との組み合わせで、警察バスの運用を縮小している例がある。
もちろん、治安維持に必要な車両を単純に削減すればよいという話ではない。重要なのは、限られたリソースをいかに効率的に配分するかという視点だ。警察バスは社会不安が高まった時期や国際イベント時には不可欠な存在である一方、平時の都市運営においては「眠れる資産」になりがちだ。このギャップをどう埋めるかが今後の課題となる。