「経営陣が無能」「技術の日産は死んだ」 ネット上に“アンチ日産”が大量発生する理由――愛と挫折の40年史が映す、ブランド不信の深層とは
2025年、日産のEV「リーフ」販売は日本297台、米国421台にとどまり、過去の栄光と現在の戦略不明瞭さがファンの失望を招く。ネット上では「アンチ日産おじさん」が集合的批判文化を形成し、ブランド再生の難しさを浮き彫りにしている。
日産情報公開の課題

日産は株主向けに企業情報を公開している。しかし、理解の深化につながる内容とはいい難い。技術戦略やEVの国内外普及計画、グローバル展開をデータで示し、情報インプットを充実させることがコーポレートコミュニケーションの向上につながる。
現代の生活者とのコミュニケーションデザインの見直しも必要である。建設的議論ができる環境を整え、改善提案や技術評価を生活者と共創できる場も有効だ。自動車メーカーをブラックボックス化すると、市場との乖離や齟齬を招く。試乗やサービス利用などのタッチポイントを通じ、親しみやすいブランドにシフトさせることも重要である。
投資や購入を通じ、批判文化と共存しながら成長余地を生むコミュニケーションデザインも受容すべきだ。日産は単なる感情論ではなく、社会的文脈のなかで批判的行動を理解し、具体的な支持行動へ転化させる可能性を持つ数少ないメーカーのひとつである。リーフやサクラ、アリアといった挑戦的なEVは、批判の対象であると同時に「信頼資本を再構築する実験場」ともなり得る。
批判の連鎖を逆手に取り、透明性の高い情報公開と生活者との共創を積み重ねれば、日産はブランド・アイデンティティの分断を修復し、むしろ次世代市場の成熟をけん引する存在になり得るだろう。これは他の国内自動車メーカーにとっても示唆となるが、とりわけ日産こそが、逆風の中で批判を力に変える「再生のモデルケース」となることを期待したい。