「Fラン大卒の課長」「雑談が苦手な部長」 上司を“学歴”で判断しても全く意味がない理由【連載】上司ガチャという虚構(2)
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近年、転職理由の半数近くが「人間関係」に起因することが明らかになった。上司との相性や学歴で評価を誤る社員も多いが、真の実力は目に見えない調整力や育成力にあり、適応力がキャリアの安定を左右する。
「能力がない」のか「相性が悪い」のかを見分ける

上司と部下の相性が悪いと、その上司は「能力がない」と誤解されやすい。しかし、社員が退職理由を正直にいわないのは、「相性が合わない」という本音を伝えにくいためである。その結果、「能力不足」という別の理由に置き換わることも少なくない。
例えば、好奇心が強い人は、目標に執着して突き進む上司を
・柔軟性がない
・頑固である
と評価してしまうことがある。この「相性」と「能力」の違いを理解しないと、会社は間違った人材評価を行い、本人も無駄に不満を抱えることになる。
上司の学歴や教養に違和感を覚えても、それを嘆く時間は無駄である。その時間を自分の成長に使う方が合理的だ。実際、社会人の学習時間と年収には一定の相関があることも示されている。
上司への不満で退職することは、本人にとっても大きな損失となる。それよりも、上司の足りない部分を自分が補い、それをスキルとして磨く方が得策である。上司の弱みを「自分の強み」に変えれば、評価は確実に高まる。
具体例を挙げると、知識が浅い上司のために勉強会を企画し、部署全体の知識レベルを上げる。調整が苦手な上司をサポートして関係者のネットワークを整理し、商談の成功率を高める。こうした行動はすべて、自分の市場価値を高める貴重な経験となる。
上司とは、自分を支え、引き上げようとする存在でもあるのだ。