「Fラン大卒の課長」「雑談が苦手な部長」 上司を“学歴”で判断しても全く意味がない理由【連載】上司ガチャという虚構(2)

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近年、転職理由の半数近くが「人間関係」に起因することが明らかになった。上司との相性や学歴で評価を誤る社員も多いが、真の実力は目に見えない調整力や育成力にあり、適応力がキャリアの安定を左右する。

上司の学歴に惑わされない判断

上司のイメージ(画像:写真AC)
上司のイメージ(画像:写真AC)

 上司の学歴が低かったり、教養が足りないと感じて

「この人は無能」
「この人はFラン大卒」

と思うことはないだろうか。私たちはつい、専門用語の使い方や雑談の内容、資料の書き方など表面的な部分で判断しがちだ。

 しかし、昇進や昇格では学歴よりも、組織でどれだけ価値を生み出せるかが重視される時代になった。経済産業省も、今後の人材戦略は学歴ではなく、

・スキル
・経験

を軸にすべきだと明言している。心理学の研究でも、仕事の成果を予測するうえで学歴は大きな影響を持たないことが示されている。

 つまり、学歴や教養だけで「無能」と決めつけるのは早計だ。目に見えにくい社内の調整力や部下を育てる力が評価されているのかもしれない。

「大賢は大愚に似たり」

という言葉が示すように、本当に賢い人は一見愚かに見えることもある。会議での発言や資料だけでなく、水面下での社外調整や交渉などが上司の真の実力になる場合も多い。

 本当に上司の価値を見極めるには、部署の目標達成度や離職率といった客観的データに加え、チームや周囲をどう巻き込み、意思決定を行っているかを観察することが重要である。

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