EVは「中古価格がヤバい」なんて、いつまで言ってるの? 「初代リーフ幻想」を超えた市場の最新進化とは

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中古EVは「安い」という先入観が根強いが、初代リーフの残価率は数%、テスラ・モデルSでも20~30%にとどまる。バッテリー寿命や制度改革が進む今、EV価値の再定義が国内市場の成否を左右する。

EV市場の構造改革

2025年8月25日発表。主要12か国と北欧3か国の合計販売台数と電気自動車(BEV/PHV/FCV)およびHVシェアの推移(画像:マークラインズ)
2025年8月25日発表。主要12か国と北欧3か国の合計販売台数と電気自動車(BEV/PHV/FCV)およびHVシェアの推移(画像:マークラインズ)

 EVの中古価格下落を“固有の宿命”と決めつけるのは、黎明期の事例に依存した

「思考停止」

である。現実を直視し、技術の進化や制度設計、市場構造の変化を中古価格に正しく反映させることで、EVの価値は再定義される道が開ける。数年後には、

「昔はEVが中古で安く買えた」

といった逆の嘆きが生まれる可能性もある。中古EV市場の再設計は、日本の自動車産業がEVシフトを成功させられるかを占う重要なターニングポイントとなる。

 制度面では残価保証や補助金制度の拡充、技術面ではバッテリー耐久性とソフトウェア更新の評価基準の確立が鍵となる。市場設計の適正化により、中古EVの価値が正当に評価されれば、新たな需要創出も期待できるだろう。

 そろそろ、「EVは中古価格が落ちやすい」と決めつける議論は見直すときではないだろうか。

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