なぜ観光バスツアーは「食べ放題」ばかりなのか? 若年層も熱狂する人気プランの秘密

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食品や日用品の値上げで家計が節約志向に傾く中、観光バスツアーは予算1万円前後で複数観光地巡りや食べ放題が楽しめる庶民の味方だ。団体旅行の復活とともに、老若男女が共感する体験型レジャーとして人気が再燃している。

観光施設の集客戦略

食べ放題イメージ(画像:写真AC)
食べ放題イメージ(画像:写真AC)

 要因のひとつには食べ放題の根強い人気がある。食べ放題には不思議な高揚感がある。普段は我慢していることを思いきりできるため、ストレス発散効果が高い。

 食べ放題では、多くの場合、元を取るための食べる量が計算される。損益分岐点が算出されると、多少無理してでもその量まで食べる。そこから無料になる領域で量を競うと、食事ではなく勝負事やスポーツの域に達する。食事の満足感だけでなく、

「得をした」
「店に勝った」

という不思議な達成感も得られる。

 観光施設の視点で見ると、観光バスツアーは施設に直接乗り入れるため、多くの利用者を一度に集客できるメリットがある。食事を大幅にディスカウントしても、併設の物販でお土産を購入してもらえば売上を稼げる。客数が読めるため、販売計画も立てやすい。閑散期対策としても有効だ。

 また、個別に食事を提供するより、メニューを一択にした食べ放題の方が大量仕入れできる。食事を1か所に山盛りにしてセルフサービスにすることで、人件費や経費も節約できる。

 この観光バスツアーによる集客スキームは従来型の手法だ。昔は観光バスツアーに集客が左右され、施設側は誘致活動を激化させ、ディスカウント合戦になった。しかしFIT(個人旅行客)が増えはじめると、過度のディスカウントは疑問視された。団体を受け入れることでイメージダウンを避ける施設も現れた。

 近年、観光バス人気はFITによって復活している。一般的な観光施設にとって、大量集客できる魅力は依然として大きいといえる。

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