テスラ「国内EV首位」に迫る! 日産との差わずか100台、海外勢値下げ攻勢が示す国産車の現実
テスラの国内販売は8月に約980台と前年の2.1倍に急伸し、日産との差はわずか100台に縮小した。低迷する国内EV市場で、価格戦略と充電インフラ、普及モデルへの転換が奏功。海外勢の攻勢に対し、国産メーカーはモデル刷新や生産体制の見直しを迫られている。
国内EV首位争い激化

日本経済新聞は2025年9月5日、米電気自動車(EV)大手テスラの国内販売が急伸し、日産が15年近く守ってきた国内EV首位に迫ったと報じた。2025年8月の乗用EV国内販売台数は、テスラが約980台(前年同月比2.1倍)だった。日産は1120台(同48%減)で、両社の差はわずか100台に縮小した。2023年1月時点では、差は6000台以上あった。
一方、国内EV市場全体は低迷が続く。2025年8月の販売台数は3614台(前年同月比18%減)で、先進国では最低水準にとどまる。そんななかでテスラの国内シェアは3割近くに伸び、突出している。2025年1~8月の累計販売台数は約6590台となり、過去最高だった2022年の通年台数約5900台を上回った。年間1万台も視野に入る勢いだ。
イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)の政治活動や発言は、米国や欧州では販売不振の一因となっている。しかし、日本市場では逆に好調さが際立つ。
日本のEV市場停滞とテスラ急伸という対照的な現象は、日本メーカーにEV戦略の根本的な見直しを迫る契機となっている。