八王子自動運転バス事故、軽傷3人でなぜ「大騒ぎ」? 日本のゼロリスク志向が招く技術停滞の危機

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東京都八王子の自動運転バス事故を契機に、日本の制度は「ゼロリスク志向」が技術導入を遅らせる現実を浮き彫りにした。海外データでは事故件数65%減、けが74%減の実績もあり、改善とリスク許容の両立が急務である。

技術理解促進の重要性

GMクルーズのウェブサイト(画像:GMクルーズ)
GMクルーズのウェブサイト(画像:GMクルーズ)

 2023年9月、GM傘下のCruiseは、完全なドライバーレス自動運転車による100万マイル走行の安全性データを公表した。Cruiseの親会社はゼネラルモーターズ(GM)であり、ミシガン大学交通研究所やバージニア工科大学交通研究所と協働している。

 データによると、完全ドライバーレス自動運転では事故件数が65%減り、けがをともなう事故は74%減少するという。近年のエビデンス重視の社会において、このようなデータの蓄積は日本でも不可欠である。理解促進のための教育と広報啓蒙も重要である。住民教育を通じて自動運転の正確な技術知識を広め、恐怖感を軽減することが求められる。

 段階的なリスク許容を導入し、限定区域・低速走行での商用化を早めることも必要である。運用実績を積み重ねることで、国内での安全性評価や社会受容性を高めることができるのだ。

 公的支援の強化も不可欠である。自動運転の情報系システムはスタートアップが担う場合が多く、その支援や安全基準の策定、補償制度の明確化は行政の役割となる。国土交通省の「地域公共交通確保維持改善事業費補助金(自動運転社会実装推進事業)」の拡充と持続的活用も、政策面で期待される。

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