EVシフトで変わる勝負の軸! 日本の強みは自動車より「素材」かもしれない

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日本車の世界シェア低下が鮮明になる中、年65兆円規模の素材産業が新たな成長軸に浮上する。EV向け高性能素材の輸出増は、貿易収支改善と製造業競争力強化をもたらす可能性を秘める。

世界を拓く日本の素材

自動車(画像:Pexels)
自動車(画像:Pexels)

 日本の自動車産業は、長年にわたり日本経済を支える基幹産業のひとつとして存在感を示してきた。製造品出荷額は年間62兆円余りで、全製造業の約17%を占める。しかし、近年はグローバル市場での競争が激化し、日本車の存在感は薄れつつある。

 その背景には、電気自動車(EV)への移行が遅れたことに加え、ソフトウェア中心の自動車へのデジタル化にも追随できていない現状がある。伝統ある海外メーカーの技術革新や、米中の新興勢力の台頭に対抗できていないのだ。

 従来、日本の自動車産業は、製造現場の改善力を武器にしてきた。しかし、この強みは模倣が容易で、世界中に広がるサプライチェーンのなかで独自性を打ち出すのが難しくなっている。

 一方で、日本が依然として優位を持つ分野は

「素材産業」

である。製造品出荷額は65兆円を超え、自動車産業に匹敵する規模を誇る。

・鉄鋼
・炭素繊維
・磁石
・電池材料

などの基礎素材は、EVの競争力を左右する重要な要素だ。こうした「見えない競争力」が、日本を再び世界の先頭に押し上げる可能性を秘めている。

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