EVシフトで変わる勝負の軸! 日本の強みは自動車より「素材」かもしれない

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日本車の世界シェア低下が鮮明になる中、年65兆円規模の素材産業が新たな成長軸に浮上する。EV向け高性能素材の輸出増は、貿易収支改善と製造業競争力強化をもたらす可能性を秘める。

EV時代の戦略転換

素材産業のサプライチェーン(画像:経済産業省)
素材産業のサプライチェーン(画像:経済産業省)

 今後、日本の自動車産業と素材産業が発展するためには、

・完成車メーカー
・素材メーカー

の戦略的な連携が不可欠である。素材研究への投資拡大や国際標準化への積極的参画が重要となる。さらに、資源調達からリサイクルまでを一体化したサプライチェーンを構築すれば、単なる部品供給を超えた競争優位を確立できる。

 政府も重要な役割を担う。従来の「モノづくり支援」から「素材研究投資」へ政策を転換し、研究開発や海外資源依存の低減を支援する必要がある。また、国際資源に関する外交も強化すべき課題だ。

 2030年代に向け、世界市場で日本車のシェアを維持・拡大するのは容易ではない。しかし、素材分野で世界標準を握れば、日本は依然としてグローバル経済の中枢として存在感を示せる。EV時代を支える基礎素材や希少鉱物の依存から脱却できる代替素材、効率向上につながる軽量化技術が競争力のカギを握る。

 今後は、完成車中心の視点から素材中心への戦略転換が不可欠であることを念頭に置く必要がある。

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