EVシフトで変わる勝負の軸! 日本の強みは自動車より「素材」かもしれない
日本車の世界シェア低下が鮮明になる中、年65兆円規模の素材産業が新たな成長軸に浮上する。EV向け高性能素材の輸出増は、貿易収支改善と製造業競争力強化をもたらす可能性を秘める。
技術流出防止の戦略
モノづくりの製造工程は、国内のマザー工場のノウハウを海外に移すことでグローバル展開が容易になる。しかし、このノウハウは他社に模倣されやすく、絶対的な競争力には結びつかない。結果として、他社に追いつかれるリスクを抱えている。
一方、素材技術は研究の蓄積や知的財産、ノウハウが複合した分野であり、徹底的に守られている。高品質の鋼板や炭素繊維の生産技術は短期間では模倣できず、特許による防御も可能だ。素材産業は
「移転が難しい競争力」
を持ち、日本にとって数少ない守れる強みのひとつである。今後、知財戦略と産業政策を連動させ、技術流出を防ぎつつ次世代研究を推進すれば、
「日本の基幹産業」
としてさらに発展できる潜在力を備えている。