東京メトロ「クレカ乗車」全面導入へ――他社管理駅で使えない“乗り入れの限界”とは

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2026年春、東京メトロ全線でクレジットカードのタッチ決済が可能となる。既存のICカードに匹敵する利便性を提供する一方、他社管理駅対応は未整備。首都圏私鉄やクレカブランドの協調、国の関与が都市型MaaS実現のカギとなる。

クレカ統合の難しさ考察

 なぜクレジットカードのタッチ決済乗車は他社管理駅で使えないのか。その前に、まず

「なぜ交通系ICカードは複数社をまたいで相互利用できるのか」

を振り返る必要がある。我々が「全国交通系ICカード」と呼ぶものは、特定のカード名称を指すわけではない。複数のカード事業者が開発したFeliCa規格の非接触型乗車カードを、他社路線でも使えるようにした連合体である。

 この呼びかけに応じた10種類のカードが「交通系ICカード全国相互利用サービス」を形成した。対応した10銘柄の総称が「全国交通系ICカード」である。その中には、当初からSuicaとの相互利用を前提にサービスを展開したPASMOも含まれる。

 NFC規格が同一で、各カードの利用目的もほぼ共通であれば、全国的な統合サービスを構築しやすいという事情もあった。こうして全国交通系ICカードは、日本在住者にとって欠かせない決済手段になった。

 かつてはバラバラだったカードが、合議を経て一大連合体となった。それと同じことがクレジットカードで可能かを考察する必要がある。

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