東京メトロ「クレカ乗車」全面導入へ――他社管理駅で使えない“乗り入れの限界”とは
他社駅対応の課題浮上

東京メトロのタッチ決済対応には、見逃せない「穴」がある。それは「他社管理駅はタッチ決済対応の対象外」という点だ。
「全線でタッチ決済による改札通過を導入」との表現は事実である。しかし誤解を生みやすい。半蔵門線や日比谷線の他社管理駅、具体的には半蔵門線渋谷駅、日比谷線中目黒駅、日比谷線北千住駅ではタッチ決済は利用できない。ややこしいのは、同じ北千住駅でも千代田線北千住駅、同じ渋谷駅でも銀座線渋谷駅には東京メトロのタッチ決済改札機がある点である。
こうした事情は、すでにメディアで「デメリット」として指摘されている。女性自身が2025年8月15日に配信した経済評論家・荻原博子の記事では、次のように解説されている。
「交通機関の利用にSuicaなど交通系ICカードではなく、クレジットカード(以下、クレカ)のタッチ決済が増えています。自動改札機も、交通系ICの読み取り部とは別に、クレカ決済専用のタッチ画面が設置されたものをよく見かけるようになりました。(中略)いっぽう、デメリットはまだまだ大きいです。タッチ決済乗車では今のところ、複数の鉄道会社をまたいでの利用はできませんし、定期券の販売もありません。導入済みの駅でもすべての改札機にタッチ端末があるわけではないので、改札機を選ぶ必要もあります。今後改善が進むと思いますが、交通系ICのほうが便利だという方が多いかもしれません。今後も交通系ICに取って代わるのではなく、選択肢の一つだと思います」(「駅の改札でタッチ決済」を使うメリット&デメリットは?《経済のプロ・荻原博子が解説》-女性自身)
萩原氏の指摘は正確である。改善は今後進むだろうが、現時点では小さくないデメリットが横たわっている。
例えば、東急電鉄は東京メトロに先駆けてタッチ決済を導入している。しかし、東京メトロの路線から乗車したタッチ決済乗客が東急管理駅で降車することは不可能である。乗車時にはタッチ決済で改札を通過できても、降車時にエラーが発生する場合がある。