東京メトロ「クレカ乗車」全面導入へ――他社管理駅で使えない“乗り入れの限界”とは
2026年春、東京メトロ全線でクレジットカードのタッチ決済が可能となる。既存のICカードに匹敵する利便性を提供する一方、他社管理駅対応は未整備。首都圏私鉄やクレカブランドの協調、国の関与が都市型MaaS実現のカギとなる。
クレカブランド協調の壁

クレジットカードにはブランドがあり、それを管理する運営会社が存在する。
東京メトロを含む私鉄のタッチ決済対応を実質的に主導しているのは、三井住友カードの公共交通向けソリューション『stera transit』である。stera transitに参画するクレジットカードブランドのなかで、Mastercardは初動が遅かった。
そもそも、stera transitに関するプレスリリースを三井住友カードとともに発信し続けたのはVisaである。誤解を恐れずにいえば、stera transitは三井住友カードとVisaの「共同作品」のようなものだ。
Mastercardは長らく「対応予定」とされていたが、2024年末にようやく実現した。
鉄道各社が他社管理駅でもタッチ決済改札を導入するという流れになれば、各クレジットカードブランドの協調が不可欠である。しかし、ブランドごとに規約や姿勢が異なれば協調は難しくなる。つまり、この問題は鉄道会社だけで解決するのは極めて困難である。通信速度や決済確定のタイムラグなど技術的な問題もあるだろう。しかし最大の壁は、やはり
「ブランド同士の利害調整」に
あると考えられる。