「制度に縛られる課長」「育成リソース不足の部長」 上司を“無能”呼ばわりしても全く意味がない理由【連載】上司ガチャという虚構(1)

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昇進や育成機会の不足を「無能な上司」と片付ける前に、構造的な制度の課題を見極める必要がある。正社員の61%が計画的OJTを受け、非正社員は27%。自己投資で成長する働き手の戦略に学ぶ、自律キャリアの新潮流。

自律型キャリア形成の実態

上司のイメージ(画像:写真AC)
上司のイメージ(画像:写真AC)

 一方、逆風にも左右されずキャリアを進める人もいる。厚労省の個人調査によれば、自己啓発やOFF-JTを併せて実施した労働者の割合は46.9%に上る。特に正社員で高い傾向がある。外部研修や資格取得、副業などによる自己投資で、自ら成長機会をつくろうとする動きだ。

・社外メンター制度
・異業種交流
・オンライン学習

などを活用し、新たな視座や知見を得て自分を客観視する機会を増やすことは、各自でも可能である。さらに、上司に過剰な期待をせず、必要なリソースだけ活用する割り切りの姿勢は、精神的・実務的に安定した成長につながる。

 現代日本企業には、長期雇用と成果主義、曖昧な職務定義と自律の期待といった制度的矛盾が共存している。制度が十分に整っていない現実を前提とし、「制度や上司を変えよう」と闘うよりも、

「それらをどう使いこなすか」

に焦点を当てた方が現実的で建設的である。

 上司に恵まれなかった経験は、将来自分がマネージャーになった際に、何をするか、何をしないかの設計図となりうる。その反面教師としての経験を自身の成長資源とする視点こそ、成熟した自律キャリアの基盤となる。

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