羽田再開発“540億円”の大誤算? 「空港隣接」でも人が全然いない根本理由

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羽田空港の再開発が迷走している。新施設は閑散とし、設備の統一感もなく、複数の運営主体が乱立。国際拠点としての期待とは裏腹に、現場では連携不全と機能分断が顕在化している。

分断運営が招く競争力低下

羽田空港のウェブサイト(画像:羽田空港)
羽田空港のウェブサイト(画像:羽田空港)

 羽田イノベーションシティと羽田エアポートガーデン。この2施設は、本来なら空港全体の発展を牽引すべき再開発地だった。だが、現実には単なる商業・産業拠点として開発され、結果的に期待を下回る成果しか出せなかった。

 もし両施設がターミナルや空港本体と同一主体の運営であれば、状況は大きく異なっていたはずだ。空港の公式ウェブサイトでの大々的な紹介、スムーズなアクセス連携、案内の統一などが可能になり、利用者の利便性は格段に向上していたと考えられる。それが実現できなかった理由は、各運営会社によってバラバラに開発が進んだことにある。この分断が、施設の潜在力を十分に引き出せなかった最大の要因といえる。

 さらに、日本の空港には構造的な課題がある。たとえば空港ターミナルの運営者と空港用地の所有者が異なるため、商業施設の利益を着陸料や空港使用料の値下げに還元するモデルが成立しない。この点で日本の空港は、シンガポールや韓国に比べて競争力が低いと長年指摘されてきた。

 現在では成田、関空、伊丹、中部空港がコンセッションによって一体運営となり、状況は大きく改善されている。しかし、日本最大の空港である羽田だけは未だに旧態依然とした構造を引きずっている。この点が国際競争力を左右する深刻な問題といえる。

 仮に羽田空港とターミナルが同一の経営主体であれば、跡地再開発も競争力強化を目的とした戦略投資となり、着陸料の引き下げを通じて利用者にも利益を還元できた可能性が高い。それが実現できなかった現状は極めて残念だ。

 空港を賑わせるために、再開発・運営・広報が一体となった仕組みをどう構築するか。羽田再開発問題は、改めて空港経営の統合と戦略性の欠如を問いかけている。

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