羽田再開発“540億円”の大誤算? 「空港隣接」でも人が全然いない根本理由

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羽田空港の再開発が迷走している。新施設は閑散とし、設備の統一感もなく、複数の運営主体が乱立。国際拠点としての期待とは裏腹に、現場では連携不全と機能分断が顕在化している。

バスターミナルの閑散現実

筆者が撮影した様子(画像:宮田直太郎)
筆者が撮影した様子(画像:宮田直太郎)

 一方、第二エリアの羽田エアポートガーデンにも足を運んだ。ターミナル直結という立地や、クレジットカード上級会員向けの無料施設の存在もあり、施設内には一定の人の流れがあった。ただし、常に混雑している羽田空港3ターミナルに比べると、人の数は圧倒的に少ない。

 特に1階のバスターミナルは閑散としていた。一部の高速バスが東北・中部方面などを発着しているが、都内主要エリアに向かうリムジンバスの多くは第3ターミナル1階の停留所を利用する。そのため、利用者数は極めて限られる。写真は2024年9月時点のものだが、現在でもバス路線はほとんど増えておらず、閑散とした印象は変わらない。空港至近とは思えないほど、静まり返った空間だった。

 羽田エアポートガーデンと同じ事業者が運営する「有明ガーデン」へ向かう無料バスも走っていたが、こちらも乗客はわずかだった。結局、2025年8月31日をもって運休が決まっている。

 また、ターミナル直結とはいっても、接続しているのは第3ターミナルの2階部分のみだ。2階は到着フロアにあたる。長旅を終えたビジネス客や旅行者は、できるだけ早くホテルや自宅に向かおうとするため、ここに立ち寄るのは難しい。もし出発フロアとつながっていれば、出国前に最後の日本食を楽しみたいという乗客を取り込めたはずだ。

 さらに、施設と空港ターミナルの間には広い道路がある。距離が長く、歩くには時間もかかる。急ぐ利用者にとって、立ち寄るには不便といわざるを得ない。こうしたアクセス条件は、明らかに集客に影響している。筆者は開業直後から定期的に施設を訪れているが、短期間で撤退したテナントも多く見受けられる。

 内装は檜舞台などを設け「和」を打ち出しているが、同様の演出は第3ターミナル4階の「江戸小路」にも存在する。しかも江戸小路は、空港ターミナルの直下という圧倒的な立地優位を持つ。

 こうした状況下では、羽田エアポートガーデンの集客は厳しく、安定した店舗運営は難しい。羽田イノベーションシティよりは人を呼び込んでいるが、当初の期待値には到底届いていない。

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