羽田再開発“540億円”の大誤算? 「空港隣接」でも人が全然いない根本理由

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羽田空港の再開発が迷走している。新施設は閑散とし、設備の統一感もなく、複数の運営主体が乱立。国際拠点としての期待とは裏腹に、現場では連携不全と機能分断が顕在化している。

情報断絶が招く失速

羽田空港のウェブサイト(画像:羽田空港)
羽田空港のウェブサイト(画像:羽田空港)

 多額の再開発費用を投じたにもかかわらず、羽田空港周辺の再開発施設は成功しているとはいいがたい。その理由としては、テナントの魅力不足や空港からの距離といった要因がよく挙げられる。だが、筆者が特に注目しているのは、羽田空港内外施設の「連動のなさ」だ。

 実際、羽田空港を訪れても、これらふたつの施設――羽田エアポートガーデンと羽田イノベーションシティ――に関する案内はほとんど見かけない。たとえ第3ターミナルに隣接する羽田エアポートガーデンであっても、2階に目立つ看板がひとつある程度で、それ以外は存在感に欠ける。

 この情報の薄さは、空港のウェブサイトを見るとさらに明らかだ。羽田イノベーションシティや羽田エアポートガーデンのフロア案内は掲載されておらず、各施設内のショップやレストラン情報も検索できない。

 個別ターミナルの案内を見ても、第3ターミナル2階のフロアマップに「羽田エアポートガーデンへ」の文字があるだけ。これでは、地方から来た旅行者や訪日外国人、第三国への乗り継ぎ客にとって、両施設は空港周辺で立ち寄るべき場所として認識されない。

 空港サイトでの情報連携不足は、商業施設に限らない。アクセス情報についても同様だ。羽田空港のウェブサイトでは、全国各地へ向かうリムジンバスや高速バスの案内は掲載されている。しかし、羽田エアポートガーデン発着のバス情報については、「羽田エアポートガーデンのWEBサイトを確認ください」と書かれているだけで、空港側からの案内は一切ない。

 これでは、せっかく新たに整備された交通手段が活かされない。例えば、有明ガーデンへの無料バスなども空港のウェブサイトで紹介されていれば、もっと多くの人が利用していた可能性がある。極めて惜しい対応だ。

 この点を、海外の主要空港と比較してみたい。羽田エアポートガーデンや羽田イノベーションシティに似た商業施設として、シンガポール・チャンギ空港の「Jewel Changi Airport(以下、Jewel)」が挙げられる。

 2019年に開業したJewelは、人工の滝としては世界最大級の施設を備え、建築的にも強いインパクトがある。2024年には年間来場者数が8000万人を突破し、すでにシンガポールの名所としての地位を確立しつつある。

 Jewel成功の要因は、施設の魅力だけではない。チャンギ空港の各ターミナルとしっかり連動している点が大きい。空港のウェブサイトでは、フロアマップやテナント一覧において、各ターミナルと同列でJewelの情報が扱われている。ページ下部にも「Jewel Changi Airport」のロゴがきちんと表示されており、空港利用者すべてに存在を印象づけている。

 しかもJewelは、利用するには一度シンガポールへの入国手続きを経る必要がある。ターミナル内よりもハードルが高いにもかかわらず、空港サイトの案内によって利用意欲が喚起されている。一方、羽田の2施設は、物理的なハードルは低いにもかかわらず、空港サイトからの情報連携がほぼ皆無である。この点で、Jewelとの間には明確な差がある。

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