N-BOX独走に異変? ダイハツ「新型ムーヴ」3万台受注の衝撃──軽市場を揺るがす「地方のリアル需要」の正体
11年ぶりに刷新されたダイハツ「ムーヴ」が、発売1か月で月販目標の5倍・約3万台を受注。ホンダN-BOXの独走に変化の兆しが見え始めた。商品設計から流通戦略まで、構造変化の波は軽自動車市場全体に広がっている。
新型EV投入で変わる地図

2025年6月の新車販売台数で4位となったのはスズキ「スペーシア」だった。スペーシアは2023年11月にフルモデルチェンジを実施し、2024年5月には月間軽自動車販売台数トップに躍り出た。しかし、その後はトップの座を維持できず、N-BOXとムーヴによる寡占状態が続いている。
ホンダは「N-ONEe:(仮称)」の市場投入を控えている。公式ティーザーサイトを開設し、2025年7月下旬から先行情報の公開を予定している。これにより、N-BOXの購入層が分散する可能性がある。ただし、現時点でN-ONEe:の詳細は不明であり、ホンダ内の販売チャネル整理が不十分なため、モデル間のポジショニングが曖昧なままプロモーションが進んでいる状況だ。
一方、ダイハツ・ムーヴは発売開始後に受注が殺到し、納車待ちが4~5か月に及んでいる。注残の早期解消を目指し、ダイハツは部品供給の確保と生産ラインの最適化を急務としている。新モデルの勢いが続く間に、いかに販売を伸ばし続けるかが、ムーヴの今後の成否を左右する重要なポイントとなる。