N-BOX独走に異変? ダイハツ「新型ムーヴ」3万台受注の衝撃──軽市場を揺るがす「地方のリアル需要」の正体

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11年ぶりに刷新されたダイハツ「ムーヴ」が、発売1か月で月販目標の5倍・約3万台を受注。ホンダN-BOXの独走に変化の兆しが見え始めた。商品設計から流通戦略まで、構造変化の波は軽自動車市場全体に広がっている。

N-BOXに陰り、新型ムーヴが追随

2025年6月 軽四輪車 通称名別 新車販売確報(画像:全国軽自動車協会連合会のデータを基にMerkmal編集部で作成)
2025年6月 軽四輪車 通称名別 新車販売確報(画像:全国軽自動車協会連合会のデータを基にMerkmal編集部で作成)

 2025年上期(1~6月)の車名別新車販売ランキング(登録車 + 軽自動車)で、ホンダ「N-BOX」が首位となった。N-BOXは4年連続で上半期1位を維持しているものの、2025年4月以降は3か月連続で前年同月を下回っており、販売はやや足踏み状態にある。

 現行型N-BOXは、2023年10月にフルモデルチェンジを実施してから1年半が経過。2024年9月には、派生モデル「N-BOX JOY」を追加投入した。その後もマイナーチェンジや低金利キャンペーンなどで販売を下支えしてきたが、販売の勢いは徐々に鈍化している。

 2025年6月の販売台数は、N-BOXが1万6158台。対するダイハツ「ムーヴ」は1万2765台で、両者の差は3000台強にまで縮まった。従来の独走状態が崩れつつあり、軽自動車市場の主導権争いに変化が見え始めている。

 N-BOXは「上質さ」や「プレミアム感」を打ち出してきた。一方、新型ムーヴは、

・燃費性能
・使い勝手
・価格帯のバランス

といった実用性に軸足を置き、明確な差別化を図っている。価格競争力や維持コストの観点から、ムーヴが新たな選択肢として台頭する可能性もある。

 今後、N-BOXとムーヴという軽自動車の主力モデルによる競争が市場にどのような影響を与えるか。2025年下期の動向に注目が集まる。

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