なぜ現代のクルマは“品格”を捨てたのか──「ロボット顔」が暴く教養なき富裕層と、“12歳化”社会の現実とは

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7月2日に配信された山口周氏の音声番組「Voicy」では、現代の自動車デザインが「全世界の12歳化」を象徴すると指摘。高級車やEVの「ガンダム化」ともいえる威圧的で派手な造形は、成熟した市民性の喪失と自己顕示文化の台頭を映し出す。社会の価値観が大きく揺らぐ中、真の美意識と責任を問い直す必要性を鋭く提起する内容である。

「12歳化」が生んだ価値観の逆転劇

コーンコブ・パイプを吸うダグラス・マッカーサー陸軍大将。1945年8月2日。
コーンコブ・パイプを吸うダグラス・マッカーサー陸軍大将。1945年8月2日。

 山口氏は、こうも述べている。

「80年前にいみじくもマッカーサーが、『日本は12歳』、近代社会の標準に照らせばこれは12歳の子供だっていうことをいったわけですけども、ある意味ではものすごい復讐がここで成立していて、日本発のコンテンツによって全世界の人たちの美意識が影響を受けた結果、日本が成熟するのではなくて全世界が12歳の子供化したっていう、ざまあみろっていう状況だといえるわけです」

「その状況の先に出てきたのが、ある意味ではトランプさんみたいな人だとか、今のヨーロッパにおける混乱だとかっていうことがいえるわけで、やっぱりこれはそうじていえることは、成熟した大人っていうものがいなくなりつつあるんじゃないかっていうことですよね」

全世界が「12歳化」している本質は、SNSやYouTubeに広がる自己顕示文化にある。そこでは即時的快楽や承認欲求を満たすことが最優先され、それがプロダクト設計の思想そのものを変えている。

 本来、クルマは都市や人との関係性を前提とした共生の道具だった。だが現在、自動車は自己誇示の手段へと変質した。性能や安全性といった本質的価値ではなく、見た目の派手さや、富を象徴するブランド力が評価される時代になっている。

 これは文明そのものの頽落と呼ぶべき現象である。クルマはもはや公共性ではなく私的快楽を映す装置であり、責任よりも自己主張を優先する社会の鏡となっている。

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