「トヨタ工場停止」は序章にすぎない──サプライチェーンを揺るがす9つのリスク! 問題はトランプ関税だけではない

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予測不能な「9種のリスク」が企業の供給網を直撃する今、問われるのは変化への対応力。関税、災害、人権、サイバー攻撃──複雑化する事業環境に対抗する鍵は、分散と連携による“しなやかなサプライチェーン”の戦略構築にある。

トランプ関税による混乱

トヨタのロゴマーク(画像:AFP=時事)
トヨタのロゴマーク(画像:AFP=時事)

 グローバルに事業を展開する企業にとって、トランプ政権の関税政策は「悪夢」そのものだ。関税が引き上げられれば、米国向け輸出品のコスト競争力は落ちる。当然ながら、その影響は日本だけでなく、中国を含む他国の輸出にも及ぶ。

 では、米国内での現地生産に切り替えれば解決するのか。実際、トランプ関税の発表後、現地生産の拡大を打ち出した企業は少なくない。だが、自動車メーカーが米国での生産比率を高めたとしても、部品を海外から輸入していれば関税の影響は避けられない。調達先の立地も含めて再考しなければならず、最適な判断を下すのは容易ではない。

 さらに、トランプ政権の関税政策は一貫性に欠けている。例えば、4月9日に発動された相互関税は、わずか13時間後に中国を除く国・地域への適用を90日間一時停止すると発表された。中国に対しても、一時は125%まで引き上げられていた関税が、5月12日の米中合意により他国水準へと引き下げられた。

 こうした状況では、関税が今後も継続するという前提で長期的な経営判断を下すのは難しい。むしろ、関税の変動に柔軟に対応できる調達体制や生産拠点の配置、すなわち

「しなやかなサプライチェーン」

の構築を目指すべきだろう。

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