ヘッドレストモニターはなぜ「賛否両論」が絶えないのか? 「タブレットで十分」は本当? 4800億円市場予測を考える

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年平均成長率9.2%で拡大が見込まれるヘッドレストモニター市場。快適性を求めるファミリー層と、合理性を重視するタブレット派の間で意見は分かれる。車内エンタメを巡る「専用機 vs 汎用機」のせめぎ合いが、消費行動と製品開発の今を映し出している

アフター需要の急拡大

後部座席で映像を楽しむヘッドレストモニター(画像:慶洋エンジニアリング)
後部座席で映像を楽しむヘッドレストモニター(画像:慶洋エンジニアリング)

 Verified Market Reports社のレポートによれば、世界のヘッドレストモニター市場は2024年に15億ドル規模に達し、2033年には32億ドル(約4800億円)まで拡大する見通しだ。2026年から2033年にかけての年平均成長率は

「9.2%」

と予測されている。なかでもアジア太平洋地域が成長をけん引している。

 需要はOEM(純正)とアフターマーケットの双方にあり、とくにアフターマーケットでは既存車両への後付けニーズが増加傾向にある。主要メーカーは、ディスプレイの画質向上や消費電力の削減、個別ニーズに応じたコンテンツ提供など、技術革新を進めている。

 ヘッドレストモニターに代表されるリアシートエンターテインメントの必要性や選択肢は、家族構成やライフスタイル、デジタル機器への習熟度によって分かれる。長距離移動の多いファミリー層にとっては、純正品や専用品の安定した装着性や、配線のない車内のすっきりとした印象、安全性の高さなどが評価されている。

 一方で、スマートフォンやタブレットの個人保有が一般化するなか、初期費用を抑え、車内に用途を限定しない柔軟な使い方を求める層も増えている。このようなユーザーにとっては、安価なタブレットホルダーと手持ちデバイスの活用が合理的な選択肢となる。

 そのため、何を車内エンターテインメントに求めるかによって最適な形は異なる。子どもの操作性や視聴環境、インテリアとの一体感を重視するなら、高機能なヘッドレストモニターが有力となる。対して、コストパフォーマンスや設置の手軽さ、多用途性を重視する場合には、タブレットホルダーなどの代替策が現実的である。

 今後も車内の過ごし方は多様化し、それぞれのライフスタイルに合わせた選択が一層求められていく。

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