トラックはなぜ“無料で待たされる”のか? 「物流タダ働き」の限界が浮き彫りにした時間搾取、荷主の「待たせ得」を考える

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ドライバー1回の輸送で約3時間が「荷待ち」と「荷役」に費やされる現実。動かない時間が無料で搾取される構造に、ようやく制度がメスを入れ始めた。物流の停滞に価格をつける発想は、供給側の再設計を迫る試金石となるか――。

荷待ち無料利用の構造的問題

物流トラック(画像:写真AC)
物流トラック(画像:写真AC)

 問題は、その順番待ちにかかるコストを、誰が負担しているかである。現状では、ほとんどが運送会社側、ひいてはドライバーの側に押しつけられている。しかもその負担は、明示的な対価としてではなく、

「拘束時間の一部」

として吸収されていることが多い。この構造のままでは、出荷現場にとっては

「トラックを待たせることにコストがかからない」

という状況が温存される。言い換えれば、物流側にとっては時間が奪われているにもかかわらず、出荷側にとっては

「無料で使えている」

時間になっている。こうした非対称な状況を是正するために、例えば、1時間を超える荷待ち時間には

「追加の費用負担を義務づける」

といった仕組みの導入が考えられる。一定の待機を過ぎたら、荷主・荷受人に対して時間あたり数千円の支払いを課す――といった提案である。

 だが、その是非は簡単に判断できるものではない。たしかにドライバーの時間は、いまや限られた資源である。2024年問題以降、拘束時間には法的な上限が設けられ、1時間の遅れは、そのまま運べる荷物の減少に直結する。

 その一方で、出荷現場の事情もある。

・人手不足
・倉庫設計上の制約
・繁閑の変動

など、改善すべきとわかっていても、即時にオペレーションを見直せる現場ばかりではない。むしろ、「だからこそ現場でやりくりしてもらうしかない」というのが、物流現場で暗黙の了解になってきた背景がある。

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