なぜ日本人は「ロボット」に優しいのか? 早稲田×海外共同研究が示す驚きの事実! 自動運転社会で世界をリードするのは日本かもしれない
ロボットやAIに対する日本人の独特な敬意が、自動運転技術の普及に新たな可能性を示す。日米600人の実験で判明した日本人の非利己的行動は、誠実さを重視する文化的背景に由来。こうした感性は、東京が世界に先駆けて自動運転タクシーを普及させる土台となり得る。
自動運転普及を左右する文化

研究では触れられていないが、この現象は日本人の認知スタイルとも関係がありそうだ。
日本文化は実直で誠実を重んじるため、相手によって態度を変え利益を最大化することに脳のリソースをあまり割かない傾向がある。こうした認知の“省エネ”により、本来の目的に多くの能力を注ぐ認知スタイルを多くの日本人が採用していると考えられる。
こうした文化の違いは、自動運転車の未来にも大きく影響を与える可能性がある。LMUのカルパス氏は
「もし日本の人々がロボットを人間と同じように尊重するなら、ベルリン、ロンドン、ニューヨークで当たり前になるずっと前に、東京で完全自動運転タクシーが普及するかもしれません」
と指摘する。日本文化は八百万の神を信奉し、モノにも神が宿ると考える独自のアニミズムが今も受け継がれている部分がある。使えなくなった針をねぎらう針供養が各地の寺院で続けられているほか、人形や絵馬の供養も多くの寺院で行われている。車も
「単なる道具以上の存在」
として扱われているようだ。愛車に名前を付けたり、“ちゃん”づけで呼んだりするオーナーも少なくない。
こうした背景から、日本にも自動運転車が普及する“土台”がすでに整っている可能性が高い。技術さえ確立されれば、日本は世界に先駆けて自動運転車や自動運転タクシーが急速に広まる社会になるのも十分に考えられる。