ビッグモーター事件が暴いた“業界の闇” なぜ自動車保険は「不透明」なのか? 損保会社「過去最高益」のカラクリとは

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自動車ユーザーの約8割が任意保険に加入する一方、修理業者と保険代理店が一体化した構造が悪用され、不正請求や過剰整備が横行。2024年度の大手損保3社の純利益は過去最高を更新し、利用者負担は増大する一方だ。金融庁と国土交通省の規制強化策の行方に業界の行く末がかかる。

金融庁の監督指針とその問題点

損害保険のイメージ(画像:写真AC)
損害保険のイメージ(画像:写真AC)

 こうした事態を受けて、金融庁は保険会社による代理店への過度な便宜供与を防ぐため、監督指針の改正案を公表した。過度な便宜供与が疑われる場合、代理店を検査できると明記し、重大な問題が確認されれば行政処分を科す方針を示した。不正の再発を防ぐため、代理店への指導を厳格化する狙いがある。

 一方で、この改正指針には疑問の声もある。ビッグモーターのような一部の悪質事例に引きずられ、

「代理店側に過度な規制を課しているのではないか」

という懸念だ。そもそもビッグモーター事件も、保険会社の側にノウハウや関与がなければ成立しなかったはずだ。それにもかかわらず、規制の矛先はもっぱら代理店に向けられている。

 例えば、保険会社が自社商品を優先的に推奨させようとする便宜供与を禁止するとされている。その結果として、代理店は自動車ユーザーに対して複数の保険商品を並べてすべて説明しなければならなくなるという見方もある。

 この比較推奨販売の適正化は、選択肢を示すことでユーザーの適切な保険選びを支援するという建前だ。しかし実際には、大手損保の商品内容に大きな違いはない。だからこそ「どの会社でもいいからお任せする」というユーザーも多く、細かな説明は理解されにくいのが実情だ。

 商品力に差がない状況下で収益拡大を求められれば、コンプライアンスより営業成績を重視する企業文化が生まれるのは自然な流れだろう。損保各社の商品は実質的に差がなく、カルテルに近い状態にも見える。それを放置したまま、説明責任だけを代理店に押しつけるのは筋違いだ。

 保険商品が横並びである限り、損保会社は営業協力や社員の出向といった手段で攻勢をかけるしかない。その結果、現場が腐敗し、疲弊していく。

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