日産「ノート」輸出は再建の救世主となるのか? 国内10万台超えの絶対エース――円安追い風も、潜む保護主義とEV減速の現実
日産が主力のハイブリッド車「ノート」を海外市場に初輸出へ。2024年国内販売10万台超の戦略モデルを九州生産に集約し、世界で拡大するHV需要654万台の波に乗る狙いだ。EVシフトの逆風下、独自技術「e-POWER」の競争力と収益性を問う重要な試金石となる。
追浜閉鎖・九州移管が示す構造再編
日産追浜工場は、1961(昭和36)年にブルーバードの生産を開始した歴史ある拠点だ。これまでにキューブ、ジューク、リーフなどを手がけ、現在はノートとノート・オーラを生産している。工場の老朽化や固定費の重さが、再編対象となる背景にある。
日産が生産を九州に集約するのは、コスト削減にとどまらない。部品調達距離の短縮や物流の簡素化に加え、輸出拠点としての再配置を視野に入れている。九州は港湾アクセスや通関対応の面で優位性があり、輸出比率を高めるには好立地といえる。収益性の最大化を目指す上で、戦略拠点としての意味を持つ。
さらに、同地域にはトヨタ、ホンダ、ダイハツなどの生産拠点も集積しており、サプライチェーンの密度と柔軟性で競争力を発揮できる。神奈川県内から九州への人員移管は、企業の損益構造を抜本的に見直す戦術的判断だ。
一方で、追浜工場周辺の地域経済への影響は避けられない。構造改革には常に痛みが伴うことを、今回の再編は改めて示している。