なぜ北陸新幹線は着工できないのか?小浜・京都ルート、石川の造反で見えてきた「米原復活」論の現実味! 自民議員も「京都説得は無理筋」のホンネ

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北陸新幹線の小浜・京都ルートを巡り、京都府・京都市の懸念は依然として解消されていない。沿線自治体の足並みも揃わず、調整の遅れが目立つ。今夏に控える新年度予算の概算要求にも影響が及ぶ可能性があり、関係者からは不安の声が上がっている。

財務省は多額の支出に厳しい目

財布のひもを緩めそうもない財務省(画像:高田泰)
財布のひもを緩めそうもない財務省(画像:高田泰)

 関西との結びつきが強い北陸3県は1日も早い大阪延伸を強く望んでいる。2026年度中に着工するとすれば、国交省が夏に財務省に新年度予算の概算要求することになる。例年なら財務省が7月にその年度のルールを示し、各省庁が8月末までに取り組みたい事業と費用の見積もりを提示したうえで、折衝に入る。

 国債と借入金、政府短期証券を合わせた政府の借金は2024年度末で1323兆円余に達し、過去最高を更新した。物価高対策など支出の拡大を税収で賄いきれず、借金が膨らんだ結果だ。財務省は増え続ける社会保障費を念頭に緊縮財政を維持したい方針とみられ、新幹線整備など多額の費用がかかる事業費について財布のひもを緩める気配はない。

 財務相の諮問機関である財政制度等審議会は2024年、新幹線整備に関して建議を出している。

・投資効果
・収支採算性など着工5条件の順守
・環境への影響
・自治体の不同意

などリスクを考慮した着工判断を求める内容が含まれ、与党内に小浜・京都ルートを国費で建設しようとする声があるのを牽制する財務省の思惑を反映しているとの見方もある。

 このまま京都府市の理解を得るために時間をかけすぎると、石川県が小浜・京都ルートを否定する動きを強めかねない。かといって1、2回の説明会で京都府市が納得するはずもない。反対団体向けの説明会を開けば、混乱を助長させる可能性がある。

 北陸3県の足並みが乱れ、京都府市の納得も得られないなか、概算要求しても財務省からすんなり認められるのだろうか。国交省や鉄道・運輸機構、与党整備委員会は苦しい状況に追い込まれている。

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