新幹線の自由席は「2号車」を選ぶべき根本理由

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東海道新幹線「のぞみ」自由席が3→2両に削減されるなか、快適な移動の鍵は“空いている車両”の見極めにある。実は座席数100の2号車は、動線と設備配置の妙から空席率が高い「狙い目」だ。混雑緩和の裏に潜む設計ロジックに迫る。

将来は自由席が撤廃される可能性も…?

N700S(のぞみ)の車両編成(画像:JR東海)
N700S(のぞみ)の車両編成(画像:JR東海)

 指定席よりも安価に利用できる自由席。しかし今後、座席数がさらに削減され、最終的には「撤廃」される可能性も否定できない。

 JR東海は2025年3月15日のダイヤ改正で、「のぞみ」の自由席を3両から2両へ削減すると発表した。背景にあるのは、インターネット予約の普及による指定席需要の増加だ。実際に「のぞみ」は、ゴールデンウィークなどの繁忙期に全席指定で運行されている。

 この動きに加え、新幹線全体の利用者数も増加傾向にある。JR東海が2025年1月6日に公表したデータによると、2024年12月27日~2025年1月5日の年末年始期間における東海道新幹線の利用者数は約412万人。前年比で108%、2018年度比でも105%に達し、コロナ禍前の水準を上回った。

 2025年のゴールデンウィーク期間中も、利用者数は437万7,000人に達し、前年同期比で5%増加している。インバウンド需要の回復や大阪・関西万博の開催といった要因が背景にあると見られる。

 今後もこの傾向が続けば、自由席が完全に廃止される可能性は現実味を帯びてくる。

 とはいえ、現時点では自由席の設定は残っている。そのため、乗客の傾向や動線を把握することは、快適な移動のための有効な手がかりとなる。

 次に新幹線を利用する際は、比較的空席が見つかりやすい2号車という選択肢を念頭に置きたい。同時に、運行情報や混雑予測も確認し、状況に応じた最適な車両選びを心がけたいところだ。

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