神戸ブランド失墜? 150億円「LRT」投資の賭け──大阪・京都に完敗する訪日客争奪戦を覆せるか
神戸市が再整備を進める中央区のウォーターフロント将来構想にLRTが盛り込まれた。沈滞ムードが続く神戸復活にLRTは期待できるのか。
観光特化型LRTの需要不安

LRTの整備費は宇都宮市と芳賀町の事例で1km当たり47億円。三ノ宮駅前から中突堤・新港エリア経由で神戸駅まで向かえば延長3km余りと推計される。1km47億円だと整備費は
「約140~150億円」
建設資材費や人件費の高騰が続いているが、神戸市の財政規模からすると対応可能とみられる。だが、
問題は「需要の確保」だ。運行ルートからして通勤や通学利用より観光やイベントで乗車する人が多くなりそうだ。神戸観光は20世紀、異国情緒を武器に人気を集めたが、訪日客の人気観光地に選ばれていない。
観光庁によると、兵庫県の2024年外国人客延べ宿泊者数は約153万人泊。近隣の大阪府約2534万人泊、京都府1661万人泊より一桁少ない。神戸空港から来日した訪日客がポートライナーやバスで三ノ宮駅前に着いても電車でそのまま大阪市や京都市へ向かうことも考えられる。中突堤・新港エリアに訪日客用の目玉施設が必要だ。