京都市バス「優先運賃」のワナ! 割引が“市民”を分断? 年1.2万円vs67万人の排除、そもそも“市民”とは誰なのか
京都市が2024年に記録した3686万の訪日外国人客数は過去最多を更新したが、市営バスの混雑が深刻化し「市民優先価格」制度の導入が検討されている。しかし、住民票を持たない実質的な市民や低いマイナンバーカード普及率が運用の壁となり、経済合理性や公平性の確保に課題が山積している。
観光課税の現在地

現実的な解決策は限られている。例えば、特定の時間帯や路線に通勤・通学客専用車両を導入する方法だ。あるいは、観光客向けに運賃を高く設定した特急バスを走らせる対応もある。
もちろん、こうした車両を導入するには財源が必要になる。その原資として最も現実的なのが「宿泊税」の強化だ。宿泊税とは、ホテルや旅館に宿泊する利用者に課される地方税の一種である。主に観光客から徴収し、その自治体の観光振興や都市インフラ整備、公共交通の維持などに充てられる。
日本では地方自治体が条例で独自に導入できる。代表例は東京都(2002年導入)や京都市(2018年導入)だ。課税額は宿泊料金に応じて段階的に設定されている場合が多い。現在の京都市の宿泊税は以下のとおりである。
・宿泊料金2万円未満:200円
・2万円以上5万円未満:500円
・5万円以上:1000円
ただし、京都市は2026年3月から宿泊税を増税する予定だ。具体的には、
・5万円以上10万円未満:4000円
・10万円以上:1万円
とする方針である。それでもなお、都市の持続的な財源としては心許ない。宿泊税を公共交通を含む都市インフラ維持のための財源と明確に位置づけ、さらなる増税も視野に入れるべきだ。