「EVシフト」で切り捨てられる76%――倒産1.3倍、中小「自動車部品メーカー」が沈む下請け令和構造

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2024年度、倒産した自動車部品メーカーは32件に達し、過去10年間で最多となった。中小企業の存続危機が顕在化する中、EVシフトと国際情勢の変動が産業再編を加速させている。部品供給の再編成とサービス型製造業への転換が求められる今、業界の未来は大きな岐路に立たされている。

7割超が中小占有の脆弱な供給網

自動車部品のイメージ(画像:写真AC)
自動車部品のイメージ(画像:写真AC)

 注目すべきは、自動車部品メーカーのうち、売上規模10億円未満の中小事業者がサプライチェーン全体(6万8485社)の約76%を占めている点だ(帝国データバンク、2024年11月調査)。これらの企業は価格交渉力が乏しく、原材料費や電力・燃料費の上昇分を製品価格に転嫁できない。

 とくに2021年以降、原材料価格と販売単価の乖離が顕著になっている。収益構造の圧迫は慢性化しており、

「沈黙の赤字」

が積み上がる構図だ。実際、販売単価DIと仕入単価DIの差は2020年に4.1ポイントだったが、翌2021年には16.3ポイントに拡大している。

 中小企業にとって、規模の小ささは資金繰りのリスクともなる。決済サイトの長期化や手形払いの慣行が資金流動性を奪う。価格交渉力のない企業は、取引先の言い値で契約せざるを得ず、その条件は

・納期順守
・品質維持
・歩留まり改善

などとして生産現場に跳ね返る。

 人手不足が続くなか、現場は疲弊を深めている。長年、頑張りで支えてきた製造基盤は、すでに限界を超えている。

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