新品より3~7割も安い! 自動車「リビルト部品」に注目集まるワケ かつては「安かろう悪かろう」も、いまや年率14%という成長市場
新品の半額以下も──自動車部品市場でいま注目されるのが「リビルト部品」だ。価格と品質を両立し、年平均14%成長が見込まれる世界市場の今を、経済・環境・技術の視点から読み解く。
中古車人気の高まりが後押し

近年、自動車を取り巻く環境が大きく変化している。新車の納期遅延や価格高騰を背景に、中古車市場が活況を呈する一方、自動車部品の供給にも変化が生まれている。そのなかでも注目を集めているのが「リビルト部品」だ。
リビルト部品とは、使用済み車両から取り外した部品(コア部品)をベースに、摩耗や劣化した箇所を新品に交換し、分解・洗浄・再組立を経て、新品同様の機能と品質を回復させた再生品を指す。
最大の魅力は価格だ。部品や車種によって差はあるが、一般的に新品の
「3~7割安い」
ことが多い。例えばオルタネーター(エンジンの動力を使って電気をつくり出す装置)の場合、新品は5万~10万円が相場だが、リビルト品なら7000~2万円程度に抑えられる。修理費用を抑えたいユーザーにとって、選択肢としての存在感を高めている。
本稿では、リビルト部品の需要が拡大している背景と市場の現状、さらに今後の展望について、多角的に分析する。具体的なデータや事例を交えながら、再生部品市場の今を読み解いていく。