満席の新幹線「2席買い占め」はアリ?ナシ? マツコ発言で激論!「すごい目でにらみ付けてくる人が…」市場論理か、公共性か

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新幹線で「2席分購入」という選択が広がりつつある。制度上は正当、だが感情的には抵抗感も根強い。空間と時間の価値を、私たちはどう受け止めるべきか。公共性と市場性のせめぎ合いが、移動の本質を突きつける。

「ひとり2席」という選択

新幹線(画像:写真AC)
新幹線(画像:写真AC)

「だから2席分買ってますからね」。

 タレントのマツコ・デラックスが、満席新幹線において自らの快適性を保つために取っている対策を明かしたのは、TOKYO MXの情報番組『5時に夢中!』でのことだ。

「嫌じゃない、こんな(体格)のが隣に座ってると」

としたうえで、2席分のきっぷを購入して隣を空けるという。スタジオの共演者は驚きと笑いをもって応じたが、マツコ氏自身は

「ズルい…みたいな。お金払ってますっていう顔をするんだけど。すごい目でにらみ付けてくるババアがいる」

と、周囲の視線に苦笑しつつ語った(『日刊スポーツ』2025年4月17日付け記事)。

 この発言が示しているのは、芸能人の贅沢や特権意識ではない。むしろ、私たち全員が、新幹線という公共の空間をどう使うべきかで、曖昧なルールと経済的な考え方の間で迷っていることを反映しているのではないか。

 新幹線の座席は、基本的に料金を払えば誰でも使える。しかし、だからこそ

「ひとりで2席を使う」

という選択が、強い違和感を生む。その違和感はどこから来るのか。この行動に経済的な価値はあるのか。そして、これが今後の移動のあり方にどう影響するのか。

 本稿では、所有と共有のバランスをテーマに、新幹線の座席をめぐる感情や市場の考え方を深く掘り下げていく。

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