ウクライナ侵攻、ロシア軍の苦戦原因は「中国製の安いタイヤ」だった?

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ロシア軍が使用したタイヤが、中国製の格安のものだったと世界の専門家が指摘している。いわく「戦場で極めて評判の悪いタイヤ」であるという。

中国製の安いタイヤの性能不足

4月の日本企業の「ロシア進出」状況調査(画像:帝国データバンク)
4月の日本企業の「ロシア進出」状況調査(画像:帝国データバンク)

 専門家の3人の主張はほぼ同じなので、簡潔に取りまとめた。

 SNSで公開された中で有名なのは、短距離地対空ミサイル戦闘車両の「パーンツィリ-S1」で、機関砲とミサイルを「KamAZ-6560」という8輪トラックに装着したもの。写真では後輪が完全の泥にはまり、前輪のふたつが真横に曲がっているのが分かる。

 このトラック自体の重量は20tで、総重量は30tを超える。専門家は装備しているのが中国製の軍用タイヤ「Yellow Sea YS20 tires」(中国名:黄海 YS20)だと断定し、このタイヤが“戦場で極めて評判の悪いタイヤ”であると評している。

 このタイヤだが、実はフランスのミシュラン社の軍用タイヤ「Michelin XZL war tires」の劣化コピー版だとという。ふたつのタイヤを画像で比較すると確かにブロックパターンはそっくりだ。恐らく正式なライセンス無しでコピーしたのだろうが、ブロックパターンはコピーできても、コピーしきれなくて性能が正式版よりだいぶ劣るようである。

 軍用タイヤの専門家たちは、ソマリアやスーダンなどで中国やロシアから輸入されたり、持ち込まれたりした中国製軍用タイヤを調査した。そうしたところ、乾燥路ではそこその性能を発揮するようだが、泥沼状態だと性能が大きく落ちるという。

 それゆえ、ウクライナでの南部ではそれほど大きな問題を生じていないようだが、既に春を迎えて凍結土が溶け出して泥沼化したキーフ周辺の北部の道では、簡単に泥沼で沈下して動けなくなったようだ。

 アメリカの専門家によると、オリジナルのミシュランタイヤが出荷前に厳密に検査を受けた上でエックス線検査を受けているのに対して、この中国製タイヤはほとんど何の検査も受けていないとしている。

 このように重量車両が次々とぬかるんだ道路でスタックしたことで64kmもの渋滞が生まれたと指摘している。なおインターネットなどで価格を比較すると、中国製のコピー商品はオリジナルのミシェラン製の軍用タイヤの半分以下の価格で販売されている。

ロシア軍の深刻なタイヤ保管問題

ウクライナの首都キーフ(画像:(C)Google)
ウクライナの首都キーフ(画像:(C)Google)

 さらに軍用タイヤの専門家はそろってロシア軍の保管の問題も指摘した。

 軍用タイヤに関してはその支える重量が大きいことから、1か月も同じ状態、同じ箇所だけに大きな重量がかかり続ける状態を続けると劣化が促進されてバーストを起こしやすくなるとされている。

 さらにその場合、日光や湿気の問題も生じるようだ。

 複数の専門家がバーストしたタイヤの写真を点検し、目で確認できる表面の色や劣化の状態から、1か月どころか1年近く何の整備もされずに放置されていたに違いないとの結論に達したという。

 また重量のアンバランスの問題だけでなく、直射日光に一定部分が長時間晒せれる部分的にタイヤの強度が落ちてバーストが起きやすくなるとも指摘されている。

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