EV時代における日本車再興のカギ――バッテリーとソフトウェア【連載】Make Japanese Cars Great Again(3)

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EV市場の波に乗り遅れた日本の自動車メーカー。しかし、2030年には車両コストの約50%を占めるとされるソフトウエアや、バッテリーの覇権争いが今後の競争を左右する。トヨタとホンダの戦略、全個体電池の可能性、車載OSの行方――EV時代の勝者となる条件とは何か。技術力はあるが販売で遅れた日本勢が巻き返す道を探る。

トヨタとホンダのEV戦略

2022年10月31日撮影、東京都内の自動車ショールームに掲げられたトヨタのロゴマーク(画像:AFP=時事)
2022年10月31日撮影、東京都内の自動車ショールームに掲げられたトヨタのロゴマーク(画像:AFP=時事)

 ここでは、トヨタとホンダのEV戦略を整理する。

 トヨタは、EVと燃料電池車(FCV)を合わせた生産台数の目標を2026年に100万台、2030年に350万台と定めている。バッテリーに関しては、プライムプラネットエナジー&ソリューションズ(トヨタとパナソニックホールディングスの合弁会社)と共同で角形電池を開発し、グループ内でバイポーラ型のLFP系電池の開発も進めている。

 また、全個体電池は出光興産と共同で量産化に向けた工法を開発中で、2027~2028年に実用化を目指している。さらに、車載OSについては独自に「アリーン」を開発している。EV関連の投資額は2030年までに5兆円を予定しており、積極的に次世代技術への投資を行っている。

 一方、ホンダは2040年にEVおよびFCVの販売比率を100%にする目標を掲げている。2030年までに、小型から中型までの7モデルをラインアップに加える計画だ。ホンダの特徴は、バッテリー調達から二次利用、リサイクルまでを含む垂直統合型のEVバリューチェーンを構築する点にある。

 また、バッテリー専業メーカーであるGSユアサと協業し、高容量・高出力のリチウムイオンバッテリーの研究開発に取り組んでいる。全個体電池の量産化に向けた製法開発も同時進行で進めており、

「技術ではなく製品を開発する」

という方針を掲げている。この点は、日本の製品が世界市場で遅れを取った反省を活かしたアプローチだ。車載OSについては、2025年のCESで「ASIMO OS」が発表されたばかりである。ホンダのEV関連投資額は、2030年までにトヨタの倍にあたる10兆円を予定しており、同社の将来をかけたチャレンジがうかがえる。

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