バスは消え、タクシーは来ない…全国2割「移動難民」化の悲劇! なぜ「足」は奪われたのか? 【連載】牧村和彦博士の移動×都市のDX最前線(28)

キーワード :
, , ,
日本全国で進行する交通空白問題。マイカーと公共交通の移動格差が広がる中、2024年4月からタクシーを含む新基準が導入された。地域の実情に応じた対応が求められる中、今後の交通サービスの改善には何が必要か、注目が集まる。

移動格差解消の先にあるもの

自分の住んでいる場所から主要施設までの移動時間圏域が自分で確認できるマップ。図はシアトル都市圏、スーパー、歯医者、図書館までの徒歩と公共交通の移動圏域を可視化したもの。赤色が30分圏域、緑が15分圏域を示している(画像:close.city)
自分の住んでいる場所から主要施設までの移動時間圏域が自分で確認できるマップ。図はシアトル都市圏、スーパー、歯医者、図書館までの徒歩と公共交通の移動圏域を可視化したもの。赤色が30分圏域、緑が15分圏域を示している(画像:close.city)

 では、物理的な交通空白が解消され、ゼロになったその先に、どのような国土が形成されているだろうか。

 交通空白ゼロが宣言されたとき、地域全体の交通サービスがどの程度改善したのか、マイカーと比べて移動の格差が縮まったのか、マイカーに加えてもうひとつの選択肢として新たな移動サービスが住民に定着し、安心してお出かけできる生活インフラが整ったのか、そして何より、住民に寄り添ったサービスが実現したであろうか。今後、マスコミ含めた第三者がしっかりモニタリングし注視していくことが肝要だ。

 交通空白地域の解消はあくまで手段のひとつであり、空白を埋めることが目的にならないように、国民が自分事として関心を持ち続けることも大切だ。

 まずは、ハザードマップと同様に、皆さんがお住まいの地域が交通空白に位置づけられているのかどうか、主要な施設まで公共交通で移動するとどれだけの時間がかかり、いくらかかるのか、マイカーで移動した場合とどの程度の移動格差が生じているのか、確認されることをお勧めしたい。

全てのコメントを見る