広島と愛媛の「この場所」に、なぜ橋を作らないのか? Part2

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広島市と松山市を結ぶ架橋計画「Qルート」は、瀬戸内海を横断する新たな大規模インフラとして、地域経済を活性化させる可能性を秘めていた。1990年代に提案され、300万人の沿線人口を見込んだこの構想は、交通の利便性を飛躍的に向上させることを目的としていたが、現在その実現は遠のいている。

交通網整備の課題

「Qルート」構想は消滅したが、架橋計画は依然として放棄されていない。2016年に広島県が作成した『江能倉橋島地域半島振興計画』には、次のように記されている。

「早期整備が望まれる津久茂大橋の架橋構想,さらには将来これに連結する広島湾架橋構想については,生活環境の向上,さらには広島中枢都市圏の都市機能分担に大きく貢献することから,その実現に向けて引き続き検討する必要がある」

壮大な「Qルート」構想は必然性が疑問視され消滅したが、広島湾架橋という地域にとって最も実用的な部分は現在も強く求められている。

 筆者も江田島を訪れたが、橋で本土と接続しているにもかかわらず、そこを走るバスは存在せず(そもそも路線バスが島全体を網羅していない)、この点については後日改めて論じたい。

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