桜島フェリー「24時間運航」終了の衝撃! 90年続いたかつての“ドル箱路線”はなぜ赤字転落? 高速道路、火山、コロナ…地方交通崩壊の縮図か

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鹿児島市と桜島を結ぶ桜島フェリーが、2025年10月に24時間運航を終了する決定を下した。9年連続の赤字と27億円を超える累積欠損が原因だ。フェリー経営の転機は、高速道路の開通や桜島の火山活動、コロナ禍など複合的な要因にあり、地方公共交通の厳しい現状を浮き彫りにしている。

27億円の赤字転落

桜島フェリー(画像:写真AC)
桜島フェリー(画像:写真AC)

 2024年、就航から90周年を迎えた鹿児島市と対岸の桜島を結ぶ「桜島フェリー」。この航路で41年にわたって行われていた24時間運航が、2025年10月で終了することが決まった。9年連続の赤字により、累積欠損金が27億円を超えたことがその原因だ。

 これまで、桜島フェリーは救急搬送や災害時の避難経路として24時間運航が行われてきたが、その利便性は大きく低下することになる。かつては“ドル箱路線”だった桜島フェリーが、赤字航路になってしまったのはなぜか。そこには、複数の要因が絡んでいる。

 桜島フェリーは、鹿児島市中心部にある桜島フェリーターミナルと対岸の桜島西端部にある桜島港を結んでいる。その重要性から、国道224号線の海上区間に位置している。かつては桜島町が運営していたが、2004年の合併以降、鹿児島市船舶局に移管された。

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