姫路城の入場料2.5倍に! 関西止まらぬ値上げラッシュ「観光客減るのでは」 USJ1000円引き上げ…訪日客歓迎も日本人は悲鳴の現実

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関西の観光宿泊施設や公共交通で値上げラッシュが続いている。訪日外国人観光客の急増に対応し、観光公害対策やインフラ整備の財源とするためだが、日本人にとっては負担が大きい。

姫路城入場料を市民以外2500円に

入場料値上げの方針が示された姫路城(画像:高田泰)
入場料値上げの方針が示された姫路城(画像:高田泰)

 関西の観光宿泊施設や公共交通で値上げラッシュが続いている。訪日外国人観光客の殺到を受け、観光公害対策やインフラ整備の財源とするためだが、日本人には痛い出費だ。

 山陽新幹線や新快速が到着するたびに、キャリーケースを引きずった訪日客がホームに降りてくる。駅の北口を出てみゆき通り商店街を抜け、さらに北へ。お目当てはユネスコの世界遺産に登録された姫路城だ。寒波が一段落した2月末の兵庫県姫路市。天気は雨模様だったが、国道2号を渡って天守閣が見えてくると、あちこちから歓声が上がる。米国からやってきた60代の夫婦は「なかに入るのが楽しみ」と笑顔を見せていた。

 姫路城は入場料1000円を市外在住者に限定して2500円に引き上げる条例改正案が市議会に提出されている。改定予定日は2026年3月。城郭施設に入る料金としては国内最高値になる。

 姫路市は2025年度から10年間の維持管理費を約280億円と推計し、2023年度で約11億円あった入場料収入を年間10億円程度増やす計画。維持費に市税収入も投入されていることを考慮し、市民は1000円に据え置く。姫路市姫路城総合管理室は

「物価と人件費高騰のなかでも大切な歴史遺産を守らなければならない」

と述べた。みゆき通りで姫路城へ向かう観光客に話を聞いた。台湾の40代男性が「大した値上げ額ではない」というように訪日客は概ね理解を示したが、川崎市から来た30代の女性が

「何もかも値上げになると旅行もできなくなる」

と顔をしかめるなど日本人観光客の多くから不満の声が上がった。

関西で進む「値上げドミノ」

彦根城(画像:写真AC)
彦根城(画像:写真AC)

 関西の城郭や寺院では、彦根城(滋賀県彦根市)が2024年10月、個人一般800円の観覧料を1000円に、法隆寺(奈良県斑鳩町)が3月、高校生以上の拝観料を1500円から2000円に値上げした。

 そのほか、4月からは大阪城(大阪市中央区)が天守閣大人入観料を600円から1200円に、興福寺(奈良県奈良市)が国宝館大人拝観料を700円から900円に引き上げる。

 観光施設ではユニバーサルスタジオジャパン(大阪市此花区)が5月、「1デイ・スタジオ・パス」の最高価格を1000円引き上げて1万1900円にする。

・東大寺(奈良県奈良市)
・清水寺(京都市東山区)
・通天閣(大阪市浪速区)

など関西の主要観光名所が2024年春、相次いで値上げしたばかり。観光客のふところは痛む一方だ。

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