姫路城の入場料2.5倍に! 関西止まらぬ値上げラッシュ「観光客減るのでは」 USJ1000円引き上げ…訪日客歓迎も日本人は悲鳴の現実

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関西の観光宿泊施設や公共交通で値上げラッシュが続いている。訪日外国人観光客の急増に対応し、観光公害対策やインフラ整備の財源とするためだが、日本人にとっては負担が大きい。

京都市は宿泊税引き上げへ

京都市が宿泊税値上げを目指す高級ホテル(画像:高田泰)
京都市が宿泊税値上げを目指す高級ホテル(画像:高田泰)

 値上げは宿泊施設や公共交通にも及んでいる。京都市は開会中の2月市議会に宿泊税を引き上げる条例改正案を提出した。1泊10万円以上の宿泊客に対する課税額を現行の1000円から1万円に引き上げる。条例改正案が可決されれば総務相の同意を得て2026年3月からの改定を目指す方針だ。

 宿泊税による税収は2023年度決算で約52億円。京都市は引き上げ後、

「約126億円」(142%増)

の税収を見込んでいる。増収分は市民生活に影響を与えている訪日客対策や市バスの市民優先価格実施などに充てるが、市民には賛否両論がある。東山区の飲食店主(34歳)は「庶民への影響が大きくないなら、増収分で観光公害対策に取り組んでほしい」と評価した。中京区の宿泊施設経営者(53歳)は

「最高額の1万円という数字が独り歩きして観光客が減るのでないか」

と心配する。京都市税制課は「値上げの影響はあると思うが、中長期的な京都市の魅力増進につながるようにしたい」としている。宿泊税は大阪府も9月から引き上げを予定している。課税最低額を現行の7000円から5000円に引き下げ、税率を引き上げる内容で、1泊2万円以上だと現行の300円が500円になる。税収額は2023年度の約25億円が約80億円に増える見通しだ。

 公共交通では、これまで施設使用料を徴収していなかった神戸空港(神戸市中央区)第1ターミナルで5月から大人300円が必要になる。神戸空港を運営する関西エアポートは「施設の維持改修に充てる」と説明した。

 4月にオープンする第2ターミナルは、大人で国際チャーター便2840円、国内線550円の使用料を徴収する条例改正案が、神戸市議会に提出されている。関西空港(大阪府泉佐野市など)は4月から施設使用料を改定し、大人で国際線2780円を3310円に、国内線440円を560円に引き上げる。

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