姫路城の入場料2.5倍に! 関西止まらぬ値上げラッシュ「観光客減るのでは」 USJ1000円引き上げ…訪日客歓迎も日本人は悲鳴の現実

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関西の観光宿泊施設や公共交通で値上げラッシュが続いている。訪日外国人観光客の急増に対応し、観光公害対策やインフラ整備の財源とするためだが、日本人にとっては負担が大きい。

ささやかな国内旅行に影響か

5月から施設使用料の徴収を始める神戸空港(画像:高田泰)
5月から施設使用料の徴収を始める神戸空港(画像:高田泰)

 値上げの背景には、地方自治体の苦しい財政事情がある。関西は大阪市に人口が一極集中し、三大都市圏の先頭を切って人口減少が進んでいる。人口が少なくなれば税収が減る。逆に高齢化の進行で医療や福祉面の負担は増える一方。和歌山県が2025年度一般会計当初予算案で74億円の歳入不足となるなど、財政危機に陥る自治体も出てきた。

 姫路城入場料や京都市宿泊税の値上げ内容を海外と比較すると、

「突出して高い」

わけではない。ヨルダン・ペトラ遺跡の入場料は1万円以上、ハワイの宿泊税は日本平均のほぼ2倍に達する。

 姫路城は18歳未満の入場料を無料化するほか、京都市の宿泊税は1泊6000円未満の税額を200円で据え置き、宿泊客全体の8割を占める1泊6000~2万円を200円増の400円にとどめるなど、一般観光客や子どもへの配慮を示している。

 だが、国民の大多数が増税と物価高騰に頭を痛めている。海外に比べてそれほど大きくない値上げ幅といっても、これだけ値上げが重なると、ささやかな楽しみの国内旅行に二の足を踏む人が増える可能性がある。

 最強寒波が関西を襲うなか、大阪市浪速区の新世界では日本人観光客が姿を消す一方で、アジア系の訪日客が街を占拠していた。観光までインフレに突入し、日本人は旅行も楽しめない時代を迎えようとしているのだろうか。

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