走ると音楽が流れる楽しい道路！ 「メロディーロード」の設置メリットをご存じか

メロディーロードの課題

　地域活性化を促進し、車内で笑顔を生み出しながら交通事故防止にも貢献するメロディーロードは、非常に効果的な取り組みに見える。しかし、全く課題がないわけではなく、最も大きな問題は

「騒音」

である。音が鳴る特性上、これは避けられない要素である。

　愛知県豊田市のトンネル内に設置されたメロディーロードでは、騒音に関する検証実験が行われた。測定結果によると、トンネル出入り口付近の騒音は施工後1.4dB増加した。この増加は、路面に溝を掘ったことによるロードノイズの増加が原因とされる。

　しかし、アンケートの結果では、メロディーロードの設置によって騒音が大きくなったと回答した人はおらず、川手トンネルのケースでは騒音問題は特に指摘されなかった。ただし、住宅街など騒音が問題となるエリアでは、設置場所に配慮が必要である。騒音問題を考慮すると、メロディーロードは

・郊外
・山道

など、比較的静かな場所に設置するのが望ましい。しかし、音楽と道路を組み合わせたこのアプローチは非常に興味深いものである。従来の道路利用とは異なり、道路そのものに音楽という付加価値を加えることで、安全運転を促し、経済効果を生み出している点は革新的なアイデアといえる。

　今後、メロディーロードの設計において路面とタイヤにさらなる工夫を凝らせば、車外への騒音を抑えつつ車内でより明瞭に音が聞こえるようになる可能性もある。デジタル化が進む車社会において、あえてアナログ的な開発が人々の心を捉え、予想以上の経済効果を生み出す可能性があるだろう。