JAL vs ANA、ファーストクラス「至高の酒」対決? 森伊蔵、村尾…ファーストクラス採用の意味とは何か? ブランド論から考える

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ファーストクラスで採用される飲み物ブランドは、その品質と希少性が証明されている。長年にわたり高い評価を受けるブランドは少なく、森伊蔵や村尾などは単なる飲み物にとどまらず、顧客のブランドロイヤルティを高める要素としても機能している。

「村尾」ANAが支える高級焼酎の魅力

焼酎のイメージ(画像:写真AC)
焼酎のイメージ(画像:写真AC)

 次に村尾だが、これもかめ壺仕込みの伝統を守り続け、その年に作った酒はすべて年内に売り切るスタンスで少量しか生産しない。そのため、1本1万円以上することも珍しくない超高級品となっている。

 このブランドを長年提供しているのはJALの競合であるANAで、2008(平成20)年からファーストクラスに採用されており、2025年現在でもメニューに載っている。森伊蔵ほどではないが、長く続いているブランドといえるだろう。

 ANAでは機内販売でも事前にネット予約を受け付け、ANAオリジナルパッケージが採用されている。価格は4,200円で、ECサイトでの販売価格の半額以上で購入できるが、販売数量は限られており、販売開始から2、3か月で売り切れることも珍しくない。実際、2024年12月31日には完売となり、2025年2月9日時点では入手できない状態だ。

 どちらもファンにはよく知られた高級品だが、希少性が非常に高いため、お金があっても手に入れるのが難しいことが多い。そのなかでファーストクラスでの提供や機内販売は、

「ここでしか楽しむ機会がない」

という意味で、高額な運賃を支払ってでも手に入れる価値があるものとして、重要な位置を占めている。特に外国人客にとっては、これまで知らなかった人へのアピールや、機内販売での購入を通じてブランドへのロイヤルティを獲得する手段にもつながっている。森伊蔵と村尾は、単なるファーストクラス採用にとどまらず、認知やブランドロイヤルティの向上にも成功した好例だといえる。

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