「若葉マーク」の限界? 茨城・神栖で軽自動車7人乗車、1人死亡――制度見直しの必要性とは

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茨城県神栖市で発生した18歳運転者による軽乗用車の横転事故。定員超過によるリスク増大と未熟な運転技術が引き金となり、悲劇を招いた。この問題に対し、免許取得後の同乗制限など新たな規制導入が急務だ。運転技術が未熟な若年層ドライバーのリスクを減少させるため、海外の事例を参考にした安全対策が必要だ。

「自由」の範囲を見直すとき

軽自動車(画像:写真AC)
軽自動車(画像:写真AC)

 規制強化に対しては、「過度な干渉だ」「個人の自由を奪う」という反論が予想される。しかし、道路は「自由に運転できる場」ではなく、「安全に移動するための社会インフラ」である。一定のルールを設けることは、「自由の制限」ではなく、「自由の適切な管理」と捉えるべきではないだろうか。

 特に、初心者ドライバーに対して「家族以外の同乗者を禁止する」という措置は、決して過剰な規制ではない。運転技術が未熟な間は、最も安全な状態で運転を学び、経験を積むことが重要だ。それが、自分自身の命を守るだけでなく、周囲の人々を危険にさらさないための最低限のルールとなる。

 規制と並行して、運転免許取得時の教育内容も見直すべきだ。現在の教習所では、交通ルールや運転技術の指導に重点が置かれているが、事故が起きた際の責任の重さや、加害者になった場合の刑事・民事責任についての理解は十分とはいえない。

 例えば、実際に事故を起こした若年ドライバーの証言を教材として活用し、「事故のリアル」を伝える試みも考えられる。机上の知識だけでなく、事故の当事者になった際の心理的・社会的影響を強く意識させることで、より慎重な運転を促すことができるはずだ。

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