「若葉マーク」の限界? 茨城・神栖で軽自動車7人乗車、1人死亡――制度見直しの必要性とは
茨城県神栖市で発生した18歳運転者による軽乗用車の横転事故。定員超過によるリスク増大と未熟な運転技術が引き金となり、悲劇を招いた。この問題に対し、免許取得後の同乗制限など新たな規制導入が急務だ。運転技術が未熟な若年層ドライバーのリスクを減少させるため、海外の事例を参考にした安全対策が必要だ。
海外に見る若年ドライバー規制の現状

若年層の運転リスクを抑えるための規制は、すでに多くの国で導入されている。米国のカリフォルニア州、英国、オーストラリアでは、日本よりも早く運転免許を取得できる一方で、取得後に一定の制限が設けられている。
カリフォルニア州では、段階的免許制度(GDL)が導入されている。16歳で仮免許を取得した後、6か月間の仮免許期間と50時間の運転練習(そのうち10時間は夜間運転)を経て、路上試験に合格すれば運転免許を取得できる。最初の12か月間は、家族以外の同乗者を乗せることや、23時から午前5時までの夜間運転が制限されるなど、厳格な制限が課せられる。
英国では、17歳で仮免許を取得し、学科試験と実技試験に合格すれば運転免許を取得できる。その後、免許取得から2年間は、高速道路や夜間運転など特定の条件下での運転が制限される。
オーストラリアでも、各州ごとに若干異なるが、一般的には仮免許取得後に一定期間の運転練習と試験を経て運転免許が取得される。取得後、一定期間は同乗者の制限や夜間運転の制限が設けられる。
これらの国々の制度は、初心者ドライバーによる事故リスクを減らすことを目的としており、日本もこれらを参考にするべき点があるだろう。
一方、日本では初心運転者標識(いわゆる「若葉マーク」)の表示義務はあるものの、実質的な行動制限はほとんどない。このギャップが、若年ドライバーによる重大事故の発生率を引き上げているのではないかと考えられる。