日産・ホンダの統合はなぜ破綻したのか? ゴーン氏が的中させた「買収劇」の結末! 「日産・鴻海・シャープ連合」誕生の可能性はあるのか?
日産とホンダの経営統合協議が、開始からわずか2か月足らずで決裂の方向に向かっている。ホンダによる子会社化の提案を日産が拒否し、交渉は事実上の終焉を迎えた。元日産会長カルロス・ゴーン氏は以前からこの展開を予測しており、その見立ては的中した。統合破談により、日産は台湾・鴻海との提携交渉を再開する可能性も浮上。EV市場の競争激化のなかで、今後の戦略が問われる局面となっている。
「日産・鴻海・シャープ連合」誕生の可能性

ホンダとの経営統合が白紙となれば、日産が進むべき道はどこにあるのか。その選択肢のひとつとして、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業との提携交渉の再開が浮上する。鴻海は電気自動車(EV)事業への参入を積極的に進めており、すでに台湾の裕隆汽車やステランティスなど複数の自動車メーカーと協力関係を築いている。
また、経済産業省がホンダと日産の経営統合を主導したとの憶測もある。経産省は、日産が鴻海のような海外企業と経営統合することで、日本の自動車産業の競争力が低下することを懸念していたとされる。ホンダとの統合が消滅したことで、日産と鴻海の提携交渉が再び動き出す可能性は十分に残されている。
一方で、日産の内田誠社長の交代は避けられない。
・経営戦略の停滞
・米国市場での大幅なシェア低下
により、内田社長の求心力は急速に低下。社内外から交代を求める声が高まりつつある。経営改革を進めるには、新たなリーダーの登用が不可欠であり、特に海外市場で影響力を持つ人物の起用が求められる。