日産・ホンダの統合はなぜ破綻したのか? ゴーン氏が的中させた「買収劇」の結末! 「日産・鴻海・シャープ連合」誕生の可能性はあるのか?

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日産とホンダの経営統合協議が、開始からわずか2か月足らずで決裂の方向に向かっている。ホンダによる子会社化の提案を日産が拒否し、交渉は事実上の終焉を迎えた。元日産会長カルロス・ゴーン氏は以前からこの展開を予測しており、その見立ては的中した。統合破談により、日産は台湾・鴻海との提携交渉を再開する可能性も浮上。EV市場の競争激化のなかで、今後の戦略が問われる局面となっている。

三菱自の資本関係再考

三菱自動車のロゴ。2020年1月22日撮影(画像:EPA=時事)
三菱自動車のロゴ。2020年1月22日撮影(画像:EPA=時事)

 ホンダと日産の経営統合協議に対し、三菱自動車は積極的に関与してこなかった。この姿勢から、三菱自は日産と資本提携を結んでいるものの、

「独自路線」

を模索していると考えられる。特に東南アジア諸国連合(ASEAN)をはじめとするアジア市場での成長を重視しており、仮にホンダと日産の経営統合が実現しなければ、日産との資本関係に変化が生じる可能性がある。

 長期的な視点に立てば、三菱自が日産との資本関係を解消し、技術的な協業などに提携を限定しながら独自路線を強めるシナリオも十分に考えられる。ただし、これを選択すればスケールメリットを失うなどのデメリットも避けられない。

 一方で、日産との協業を継続するメリットがどこまで維持されるのか、その検証が今後の重要な課題となるだろう。

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